実行委員の寺田です。
4月12日(土)、烏山区民センター前広場で行われた路上演劇祭JAPAN2025へ行ってきました。
京王線千歳烏山駅より歩いてすぐ。
以下、綴る。
12日は晴れ、13日は雨。相反しているが、僕は12日しか知らない。
晴れていて良かったね、と言われるが、13日は行ってないから実のところはわからない。
大阪万博の開幕日も雨だったじゃないか。
傘をさして並ぶ顔に嫌な顔が見えないのも、雨もそう悪くないのではないかと思う理由である。
昨年は夢十夜を演じた和重さんは、会場から歩いてわずかの所に住んでいるそうだ。
シンポジウムでひとり声をあげていた男性がいた。
話を聞くと、とても芯をついていて感心した。
のぞみさんと湘南亀組の関谷さんが登壇していたが、この先生たちはやさしい人だ、とほめていた。
共感するところは「わかるわかる」と相槌を打っていた。
どこからいらしたのか聞くと、南烏山だそうだ。
すぐにどこかはわからなかったが、近いのは確かだろう。
今回のMCは前半がアラリンさん、後半はポランさん。
11:00スタート
カメラを構えたら、まなみさん登場で、ついアラリンさん見切れ。
思い直し撮り直したが、不意を突かれたこちらの方がまなみさんの表情が良く、採用。
アラリンさん、すみません。

11:05 青空ボリウッド
上機嫌ノリノリダンスのヒットメドレー!
トップバッターはおまかせ。ドジャースのトップバッターが大谷翔平なら、
路上演劇祭JAPANは、市川まなみ。
後に飛び入り続出のダンスパーティーは続く。ギリギリダンス、踊れ!
11:25 街歩きチラシ貼り報告
えのさん、ほたかさん、演劇団体みちくさの二人。
手書きの商店街の地図を広げて、チラシご協力の場所、千歳烏山のおすすめ店を紹介。
客席にもおすすめの店を問うたが、意外と地元『ちとか』の方は少なかった。
去年コンビニのサンドイッチだったので、事前に食べログみたら「らーめん激戦区」とある。
でも、会場を出るとすぐ、豆腐屋の店頭に並んだ、いなりずしを食べた。
11:40 出舞一丁
横浜で8年活動している、おやじダンスグループ。
今回レディース部門のおひとりが初めて参加。今後発展させていくようだ。
人はそれぞれで、同じように出来ないと言うことを、意識的に活かしているように見えた。
椅子に着席して踊るダンサーが吟じた「外郎売」は、滑舌の練習で定番だが、意味のわかる外郎売は初めて聞いた気がした。
上演後のぞみさんもともに、少しお話をした。
大河ドラマ「どうする家康」の時、浜松にも浜松城など観光で行ったそうだ。
12:00~ 演劇団体みちくさ
中学の演劇部で出会い、おばあちゃんになるまで続けようねと志して8年の二人の劇団。
縄跳びを車両に「シュッシュポッポー」と登場し始まる。
サコッシュを斜めがけした、ごくごく普段着が潔い。
終盤、寺山修司の野外劇「ノック」に参加された方の話に深くうなずいていたのが印象に残る。
写真にうつるように距離感の変化が、日常を切り取ったお二人の芝居なんだと思う。
12:20~ 大人演劇団(不破ふわお)
出されたお題を、会話の中で探りながら、あてるゲーム演劇というかクイズ演劇。
参加者は出演者。観客は、TVのクイズ番組を観るように楽しむ。
二本目の演目名「虹」が正解せず、視聴者不完全燃焼のところ、衝撃の告白をサラリ。
これが最も演劇的だった。
12:35~ 音楽ユニット「ポランの広場」
しっとりとギターの弾き語り、カトキングのビートたけしの物真似と桑田佳祐の歌真似。
そして、ギター伴奏による歌唱。
ポランの広場とは、宮沢賢治の童話作品からきている。
音楽ユニット、演劇ユニットと、童話のモチーフからすべて派生している。
カトキングと聞いて、浜松には妄想詩人ムラキングがいると反射的に思った。

13:05~ お芝居デリバリーまりまり
「金の斧銀の斧」、新作の「裸の王様」、昨年浜松でも上演「花咲じいさん」の三本立て。
三鷹市在住の19歳メンバーもまじえ、黒黒ワールド。
長野から参加の、たいしさんから、芽里さんから話題に出た、翌日大町で演劇祭のため戻るという話も聞いた。
文芸大を卒業したぷちまりたまちゃんも東京・稲城市から来たよ。
インドネシアツアーの話を聞き、充実の写真の数々も見せてもらった。

13:35~ 田上朋子
俳優でシャンソンをうたう人は多い気がする。美輪明宏、大竹しのぶ、渡辺えり・・・。
先日、松田美由紀が浜松でシャンソンをうたったという話を聞いた。
志穂美悦子だって、鬼無里まりと言う名でうたっている。越路吹雪も宝塚歌劇団出身じゃないか。
歌の世界を伝える感情表現が俳優の演技と重なるのだろうか?
田上さんもそんなひとりだと思う。戦争のうたを聞き、思った。

14:05~ おばな&テディ&キャサリン
タイトルを「懐かしい昭和ソング」と言う。
写真は「学生街の喫茶店」をうたっているが、歌詞に君とよく来た店の片隅でボブ・ディランを聴いたという内容が出てくる。
先日、1941年生まれのボブ・ディランの若い頃をモチーフにした映画「名のなき者」を観たが、そのあと、持っていなかったCDを何枚か買いそろえた。
その中にシェイクスピアの「テンペスト」と同じ名をつけたアルバムがある。
自伝を読むと、三文オペラの楽曲に影響を受けたり、演劇に関する記述も多い。
十川さんとは挨拶をさせてもらったが、袴田巌さんについて書き、朗読した詩の話をすることを忘れてしまった。
14:15~ 里見のぞみ
のぞみさんが、組み体操のサボテンをモチーフにしたオブジェのそばを演技場所にしたのは、たまたまではないだろう。
オブジェ作品の作者は、松本人玄(元芸人だそうだ)と言い、今は詩を書いたり、販売時にPRするためのこのようなオブジェなどをつくっている。詩集を購入したら、お題を言えば、即興で詩を書いてくれるということだった。
お題か、こちらが緊張する。カバンから浜松の路上演劇祭のチラシを取り出し、自己紹介と共に「じゃあ浜松で」とひねりのないお題をさし出した。のぞみさんはきっと、このように想像を寄り道させることを目的に作品をつくっている。
浜松路上に参加される演劇企画くすのきの高塩さんが観劇に見えられ、ごあいさつ。
いただいたリーフレットの流しの音読の作品名だけでも、興味をそそられた。
サボテン!
14:40~ 荒山昌子
アラリンさんは、2022年浜松路上に出た際のプロフィールによると転位21に在籍されていたようだが、あまりその頃のことを話してくれないかもしれない。
アラリンが一貫しているのは、温故知新だ。
しかも自分が体験見聞きした、その頃の息吹や空気がよくわかっていること。
これは懐メロとも違う。今の時代を検証しているとも言える。
今日は「湘南爆走族」「ホットロード」だった。
15:10~ 聖和笙
タイトル「仮面舞踏会 バル・マスケ」にもあるようにまさに仮面舞踏会。
僕などはすぐに少年隊と思ってしまうが、ロミオ&ジュリエットの出会う場面も舞踏会での仮面が、話のあやとなる。
ダンスと言う肉体表現もさまざまで、数ある中でなぜこの踊りを選んだのか、とても興味がある。
あこがれるモデルになるものがあったのか、誰かヒーローやヒロインがいたのか?
ここは中世の宮廷ではない。貴族や要人が集う鹿鳴館でもない。
ケンタッキーをほおばる高校生との対比が面白い。
16:10~ たけのこ遊戯族
名前の由来は、1980年代前半、代々木公園のホコ天で一世風靡した竹の子族から来ているのか?
トイレや水分補給したり、誰かと交流する機会もあり、うっかりしてシャッタチャンスを逃すこともある。
飛び入りを含めてのクライマックス。
紹介があったかもしれないが、「たけのこ遊戯族」と「竹の子族」を見比べると・・・何や、遊戯つけただけやん!
またもや温故知新。古きを知り新しくを知る。
文化と言うのはいろいろな形で残っていくのだなあ。
二本立ての構成で、こちらは新聞紙をかぶって寝ていてからの、ラップ。
ザ・シュール。
真正面に受け取る、竹の子派ふたりの視線がやさしい。
16:10~ 演劇ユニット「ポランの広場」
音楽の顔のポランの次は演劇の顔。
サン・テグジュペリ「星の王子様」の朗読劇。
途中、作品のイメージの絵も披露される。
歌の場面では、カトキングの指揮者、飛行士役のシンガーがぴたりとはまる。
「ポランの広場の 夏まつりがはじまるよ」
16:40~ おっちー
おっちーさんは、2009年の浜松路上演劇祭で、外国人と日本人の演劇グループ、セロ・ウアチパのメンバーとして、木の役をやったそうだ。
傘をさした木の役はいやでも印象に残る。
でも、おっちーさんは浜松に行ったのは覚えていたが、演じたのは忘れていた。
「カホンおち」というふざけたタイトルだが、その軽妙さが魅力なのだと思う。
メキシコの路上演劇祭に行った体験から「メキシコ」と「ラブ&ピース」という難しいお題に苦しみながら、カホン芸を演じていた。
17:00~ 榎本有希子
路上演劇祭JAPANの歴史と成り立ちを語る。
次第に熱を帯び、個人の感情も交わり運営の制作過程の話となる。
これはひとつのひとり芝居であったように思う。
1975年阿佐ヶ谷で30時間に渡り行われた寺山修司主宰の劇団「天井桟敷」による街頭劇「ノック」を知る根本豊さんがゲストとして加わる。
寺山修司は演劇はアマチュアという表現が興味深かった。
プロフェッショナルとは、専門的な仕事についているという意味であり、決して優れていることを指すのではないのだ。
17:30~ シンポジウム「路上で演劇をやること」
冒頭触れたように、里見のぞみさんと湘南亀組関谷さんが登壇。
湘南亀組の出演は、翌日13日だったので、客席で少し話をした。
盛んに公演を行っているようで、秋には、宮古島に何日かかけ公演旅行をしてきたそうだ。
どこの場所にもいく理由がある。
それは、湘南亀組の社会性ある作品テーマと密接に結びついている。
URARAさんも滞在型パフォーマンス「Metamorphoses」。
岸田理生や太田省吾作品が今後、控えているようだ。
はたらくおっちゃん。
賑やかに、烏山区民センター前広場の陽は落ちていく。